第1種衛生管理者 衛生管理者の勉強法:労働衛生

衛生管理者の勉強法:労働衛生2-4.(物理的要因と疾病)

2021年6月27日

☆熱中症:高温環境下で生じる障害

〇Ⅰ度

(1)熱虚脱
高温環境下で、放熱のため皮膚血流量が増加する一方で、体内の血流量は減少し、血圧が低下し、代償的に心拍数が増加する。
心拍増加がってい限度を超えたときに全身倦怠感・脱力感などの障害が生じる。
血圧↓、心拍↑、体温の上昇はほとんど見られない

(2)熱痙攣
大量の発汗で水分と塩分が失われたときに水分だけを補給していると、血液中の塩分濃度が低下し、筋肉のけいれんが生じる。

  

〇Ⅱ度

(3)熱疲労
長時間の発汗により、体内の塩分や水分が失われバランスが崩れた状態
頭痛や吐き気、嘔吐、倦怠感、顔面蒼白、冷汗などの症状があらわれるが体温の上昇はない。

  

〇Ⅲ度

(4)熱射病
高温環境による体温調節中枢機能障害。
熱中症のなかでは最も危険な状態。
体温が40℃以上になり、発汗の停止、意識障害や痙攣、呼吸困難がみられる。

   

  

☆寒冷(低温)環境による疾病

(1)凍瘡(しもやけ)
寒冷環境下で、体温の維持のために末梢の血管が収縮して血液の循環が悪くなり、血圧が上昇する。このような時に発症する。
(2)凍傷
さらに厳しい寒冷環境(0℃以下)になると、組織の細胞が死んで凍結壊死する。
(3)低体温症
体内温度が約35℃より低くなると、ふるえ、意識消失、筋の硬直などの症状を示す。

  

  

☆騒音環境と疾病

(1)騒音
聞き手にとって不快に感じられる音の総称
(2)騒音レベル
騒音計の周波数補正回路のA特性で計測し、dB(A)で表す。
(3)等価騒音レベル
騒音は常に変動していて一定ではないため、時間的に変動する騒音レベルのエネルギー的に平均値を表す。
一般的に、等価騒音レベルで85dB以上の騒音にさらされる作業場では難聴を起こす危険性があるとされ対策が必要。
〇騒音による疾病
(1)精神疲労
精神疲労からくるストレスが、自律神経系や内分泌系に影響を与えるため、騒音曝露により、交感神経の活動の亢進や副腎皮質ホルモン分泌図化が認められることがある
(2)騒音性難聴
内耳の蝸牛の有毛細胞が損傷をうけ、以下の特徴を示す
①4000Hz付近の高音域の聴力の低下から始まる(C5dip)
②初期段階では気づかないことが多い
③永久的に聴力が障害を受ける
・騒音性難聴は薬剤の投与では回復しないとされており予防と早期発見が重要
・騒音は高周波音(高い音)のほうが低周波音(低い音)より騒音性難聴になりやすく、音が強く、同一であるほど有害性が高い

  

  

☆振動環境

〇振動による疾病
(1)局所振動障害
局所振動障害は、チェーンソーや削岩機などの手持ち振動工具の機械的振動に寒冷の曝露が重なることにより発症する。
手のしびれなどの末梢神経障害や、手指の蒼白現象(レイノー現象)などの末梢循環障害、関節痛などの筋骨格系障害が発生することがある。
(2)全身振動障害
トラックやクレーン、フォークリフトなどの運搬機器の操縦を長期にわたって行っている労働者に発症する。
全身性の振動障害は、不快感、注意の散漫、視覚障害などのほか、特有の全身疲労を起こす。また脊柱障害(腰痛や頸部痛など)を起こす可能性がある。

 

☆高圧環境による疾病

(1)高圧による疾病
人体に対する加圧が不均等に行われた場合に、肺、耳、副鼻腔などが締め付けられて痛みを生じる(スクイーズ)。
また、高圧下で血液中に溶けた窒素が過剰になると、窒素が持つ麻酔作用が中枢神経に作用し、酒に酔ったような気分の高揚感を覚える(窒素酔い)。
(2)減圧症
高圧環境から、急浮上などによってきゅうげきに常圧に戻ると、血液に溶け込んでいた窒素が体内で気化してガスを発生し、このガスが血管を閉塞して発生する障害を指す。
吐き気、嘔吐、関節痛(ベンズ)、皮膚のかゆみ、呼吸困難(チョークス)、中枢神経の麻痺などの症状が現れる。

〇電離放射線

〇内部被ばくと外部被ばく
(1)内部被ばく
経口などで体内に取り込まれた放射性同位元素から放射される放射線に被ばくすること。
(2)外部被ばく
エックス線装置など放射線源から体外に放射される放射線に被ばくすること
〇放射線被ばくによる影響(身体的影響と遺伝的影響)
(1)身体的影響
・急性障害(早期障害)・・・被爆後30日以内に症状がみられる
・晩発障害・・・被爆後数年から数十年の潜伏期を経て白内障や発がんなどが起きる
(2)遺伝的影響
〇放射線被ばくによる影響(確定的影響と確率的影響)
(1)確定的影響
被ばく線量が閾値を超えた段階で障害が発生し、障害の発生率や程度が被ばく線量に対応して増加する。
中枢神経障害、白内障など
(2)確率的影響
閾値がなく、発生する確率が被ばく線量の増加に応じて増加する。
発がん、白血病、遺伝的影響

  

  

〇非電離放射線

  

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